須田剋太 挿絵 原画展 「街道をゆく」シリーズ

須田剋太 街道をゆく 挿絵

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「街道をゆく」シリーズ海外編では、 地理的に日本に近く古代より交流のあった韓国・中国・モンゴルといった
アジアの国々や、地理的には離れているものの、鎖国時代にも交易があり
日本の近代化に大きく影響を与えたオランダ・スペイン・ポルトガルといったヨーロッパの国々、
また、文学を中心に独特の文化を生み出したアイルランドを訪れている。

 韓のくに紀行

作品数:60点  週刊朝日掲載年月:71/7-72/2

韓国は「街道をゆく」の初の海外取材先である。
日本にもっとも近く、古代よりつながりのあった国として、
政治的にも文化的にも相互に影響しあってきた。
日本から韓国へ海路の玄関口・釜山(プサン)から、作品はこちらから
金海(キメ)、慶州(キョンジュ)、大邱(テグ)、倭館(ウェグアン)をめぐり、
かつての百済(クダラ)の首都・扶余(プヨ)へ向かう。


 耽羅(済州島)紀行

作品数:54点  週刊朝日掲載年月:86/3-86/9

済州島(チェジュド)は韓国本土の南端から 90kq離れた海上の島で、
現在はリゾート地として名高い。かつて島に存在した耽羅(タンラ)という国は、
日本書紀にも登場しており、日本とは古くから交流があった。作品はこちらから
暖かい土地であるが、季節風や、地理的・地形的要因による
強い風が吹くため、島のあちこちに風除けの石垣が築かれている。


 中国・江南のみち

作品数:74点  週刊朝日掲載年月:81/7-82/3

江南とは、中国最長の川・揚子江(長江)の南に広がる肥沃な地域である。
「街道をゆく」では、上海・蘇州・杭州・紹興・寧波(ニンポー)を巡る。
蘇州には、水はけのために街中に運河が掘られ、運河沿いの民家が美しい作品はこちらから
景観の街である。名水の湧き出る杭州郊外の竜井(ロンジン)は、中国の
最高級緑茶「西湖竜井(シーフーロンジン)」の産地として有名である。


 中国・びんのみち

作品数:42点  週刊朝日掲載年月:84/8-84/12

びんは、現在の中国東南部の福建省にあたる。
良港に適した海岸線に恵まれ、海外貿易で栄えた地域であった。
中でも泉州(ザイトン)はイスラム系の人々が居留する国際都市となり、
マルコ・ポーロも「世界最大の海港のひとつである」と称した。作品はこちらから
後に港は衰退したが、イスラムやアラビア系寺院は現在も残っており、
交易が盛んであった頃の名残が見られる。


 中国・蜀のみち

作品数:29点  週刊朝日掲載年月:82/3-82/9

蜀(しょく)は、現在の中国南西部・四川省の成都を中心とする地域である。
山中の平野であるこの地は、かつては水流の少ない僻地であったが、
紀元前に「都江堰(とこうえん)」という巨大なダムが造られたことで作品はこちらから
農業生産が上昇し、肥沃な土地となった。
また、諸葛孔明の進言を受け入れた劉備玄徳が建国した地でもある。


 中国・雲南のみち

作品数:24点  週刊朝日掲載年月:82/3-82/9

雲南は、現在の中国南西部・雲南省のことで、昆明市を省都とする。
険しい山岳地帯であり、中国の中では辺境とみなされていたが、
東南アジアやインドへつながる交通の要衝であった。作品はこちらから
そのため、多種多様な文化の影響が混在する独特の文化が
形成されてきた。また、多様な少数民族が居住する地域でもある。


 モンゴル紀行

作品数:98点  週刊朝日掲載年月:73/11-74/6

モンゴルは、厳しい気候条件のもと、大草原と砂漠とが大半を占める地で、
そこに生きる人々は遊牧騎馬民族として独特の文化を築きあげてきた。
「街道をゆく」では、ロシアのハバロフスク・イルクーツクを経由して、
モンゴルの首都・ウランバートルへ入国し、東南部に広がるゴビ砂漠に向かう。作品はこちらから
モンゴル紀行には名作が多いとされている。無限に広がる星空や
草原・砂漠を描いた作品は、具象でありながら抽象画のようである。


 オランダ紀行

作品数:20点  週刊朝日掲載年月:89/12-90/8

ヨーロッパの北西に位置するオランダは、 日本の近代文明を語る上で不可欠な
国である。江戸時代の鎖国体制下でも、学術や文化の発達した国として、
日本はオランダと外交関係を保った。「街道をゆく」では、作品はこちらから
首都・アムステルダムを起点に、学術と文化の町・ライデン、
対アジア貿易の拠点であった港町・ホールンなどをめぐる。


 南蛮のみち

作品数:110点  週刊朝日掲載年月:83/1-83/12

南蛮とは、スペインとポルトガルのことだが、「街道をゆく」では、
フランス・スペイン・ポルトガルの3国を巡っている。
フランスでは、日本にキリスト教を伝えた宣教師・フランシスコ=ザビエルが
若い日々を過ごしたパリを訪れる。
次に向かったバスクは、スペインとフランスの国境地帯にあり、作品はこちらから
独自の文化を築いている地域である。スペインでは、マドリッド、
トレドを経て、ポルトガルへと入国する。


 愛蘭土紀行

作品数:90点  週刊朝日掲載年月:87/5-88/4

愛蘭土とはアイルランドのことである。愛蘭土紀行では、須田剋太は現地取材に
同行せずに、写真をもとに挿絵を描いている。
司馬遼太郎一行は、先にイギリスを訪れ、ロンドンやリヴァプールを巡る。
そこからアイルランドの首都・ダブリンへ移動し、西海岸に位置する
ゴールウェイ、ケルト文化の遺跡が多く残るアラン諸島、さらに南下して
ケリー半島、ケラーニィ、ケンメアを巡り、ダブリンへと戻る。作品はこちらから
イギリスによる植民地支配の干渉を受けつつも、アイルランドはケルト民族
の独特の文化を築き、また優れた文学者などを多数輩出している。





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