規制やコンプライアンスにからめとられ、どんどん生きにくくなっている都市で、
それらをやすやすと乗り越えるアーティストたちがいます。
彼らの実践から生み出される対話や参画性を、我々の社会にどう活かしていくべきか?
それを徹底的に議論するのが今年度の「創造のテーブル」のテーマです。
インドネシアの三輪車を日本の都市で走行させたり、フィリピンの街でタコ焼きを売ったり。
あるいはソウルの繁華街のど真ん中をアクロバットや演劇の舞台に変えてしまったり。
アートは次の未来をどう可能にするのでしょう?
息苦しさが日々増している今こそ、議論すべき時が来ています。
アートを都市にいかに実装するかに取り組んできたenocoが今、注目し信頼を置く、
最前線を走りつづけるプレイヤーたちをお招きし、
“ひとりでは生きられない”アートが持つ可能性を大いに議論します。
アートを武器にいかにたくましく生き延びるか…
生き方のヒントに出会える場となるはずです。
日時:2020年1月11日(土)14:00~18:00 (受付開始13:45)
会場:大阪府立江之子島文化芸術創造センター(enoco) 4階ルーム1
参加無料(当日先着順受付・定員50名)
パネリスト:
キム・ジョンソク(Gwacheon Festival芸術監督)*逐次通訳あり
北澤潤(美術家・北澤潤⼋雲事務所代表)
清水裕子(NPO法人アート&ソサエティ研究センター副代表理事)
武田力(演出家・民俗芸能アーカイバー)
モデレーター:
寺浦薫(甲南女子大学文学部メディア表現学科准教授)
主催:大阪府立江之子島文化芸術創造センター(enoco)
キム・ジョンソク Jongseok Kim
劇場芸術監督。Gwacheon Festival芸術監督(2019〜)、Seoul Street Art Festival芸術監督(2016〜2018)、Hi Seoul Festival芸術監督(2013〜2015)、Ansan Street Arts Festival 芸術監督(2010〜2011)、龍仁大学演劇学部教授(2007〜)。
北澤潤
美術家。1988年東京生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。合同会社北澤潤八雲事務所代表、STUDIO BELIMBINGディレクター。国際交流基金アジアセンター・フェロー(2016〜17年)。さまざまな国や地域でのフィールドワークを通して「ありえるはずの社会」の姿を構想し、多様な人びととの立場を越えた協働によるその現実化のプロセスを芸術実践として試みる。近作に、立ち退きを余儀なくされた住民たちと共に「理想の家」のコンテストをひらく《Ideal Home Contest》や、母国を離れて暮らす人びとの記憶から再現された街をつくる《Neighbor’s Land》、異国を走る人力の乗り物を日本に持ち込み、市民に貸し出していくことで失われた路上の光景を描きなおす《Lost Terminal》などがある。2016年、米経済紙Forbes「30 Under 30 Asia」アート部門選出。現在、インドネシア共和国ジョグジャカルタを拠点に活動している。
清水裕子
NPO法人アート&ソサイエティ研究センター副代表理事、大阪市立大学都市研究プラザ特別研究員。南カリフォルニア大学大学院芸術建築科修士修了。2009年より当法人を共宰、アートと環境、都市、社会との関係を研究、普及、支援。共訳『ソーシャリー・エンゲイジド・アート入門』(2015年)、共編著『ソーシャリー・エンゲイジド・アートの系譜・理論・実践』(2018年)
武田 力
演出家、民俗芸能アーカイバー。立教大学の初等教育学専攻を卒業後、演劇カンパニー・チェルフィッチュに俳優として参加。ヨーロッパやアメリカを中心に活動する。その後、演出家として警察署員からの指導、たこ焼き、小学校教科書などを素材に作品を手掛ける一方、限界集落となった滋賀県朽木古屋集落の六斎念仏踊りの復活/継承事業を担う。こうした民俗芸能との互恵的な関わりから、現代社会を軽やかに思索する観客参加型の作品を展開する。近年はフィリピン・Karnabal festival、中国・上海明当代美術館での作品制作や、中国・武漢173ArtSpaceの協働ディレクターを務めるなど、アジアを主な活動の場としている。横浜市芸術文化振興財団2016, 17年度クリエイティブ・チルドレン・フェローアーティスト、2019年度国際交流基金アジアフェローにそれぞれ選定。http://riki-takeda.com
〈モデレーター〉
寺浦薫
甲南女子大学文学部メディア表現学科准教授。学芸員として大阪府に勤務した後、現職。府では文化政策の立案や公共空間でアート作品を展開する「おおさかカンヴァス」、市町村の課題解決をサポートする「プラットフォーム形成支援事業」等を担当。