この度、大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco]では、大阪府20世紀美術コレクション展「くりかえしとつみかさね」を開催いたします。
作品には作家が作品と向き合ってきた濃密な時間や情報が閉じ込められています。ある作家は何度も画面を眺めて新たな一筆を描き足そうとし、またある作家は画面に自らの生活や身体の痕跡を残そうとしてきました。身体性を感じる絵画と言ってまず思い浮かべるのは腕や足などを使った大胆なストロークが目に見えるような作品でしょうが、いっぽうで緻密な筆致を繰り返すことによって画面を作り上げた上前智祐、自らの手形や細密な線描で画面を構成した木村嘉子らの作品にも身体性を感じることができます。これらの作品においては、一筆一筆の絵筆のタッチや一本ずつ引かれた線が集積することによって画面が成り立っています。画家が何を思い、それらを積み重ねたのかという、画面と対峙してきた「時間」を再生する機能が、作品にはあるのではないでしょうか。
左から
野村耕 《コレクション》 1968年 板に紙型、顔料
木村嘉子 《作品黒ー白(2)》 1964年 キャンバスに油彩
上前智祐 《作品(黄・点描)》 1968年 板に油彩
本展でご紹介するのは、大阪府20世紀美術コレクション作品のうち、そうしたゆっくりとした時間のつみ重ねと身体性を感じさせる10人の作家の作品です。作家が向き合った作品を、その時間と身体性の「再生装置」としてとらえ、感じていただければ幸いです。
左から
伊藤継郎 《鶏とこども》 1973年 キャンバスに油彩
岩宮武二 《はさみ(「かたち」Ⅱ金より)》 1962年 タイプCプリント
木村光佑 《現在位置ー存在(A)》 1971年 紙にシルクスクリーン
会期:2023年9月1日(金)〜9月17日(日)
10:00〜18:00 ※ただし、最終日は14:00まで
主催・会場:江之子島文化芸術創造センター[enoco]1F ルーム4
入場無料
【出展作家】
伊藤継郎、今井祝雄、岩宮武二、上前智祐、木村光佑、木村嘉子、土田雅昭、野村耕、ロザモンド・W・パーセル、村上文生
【お知らせ】
下記日程は、近隣の学校が学校行事で来館の為、展示室内の混雑が予想されますのでご注意下さいませ。
・9月12日(火)10:00〜15:00
・9月13日(水)13:30〜14:30
・9月15日(金)10:00~15:00
◯ワークショップ 「スタンプで描くつみかさね絵画」
展覧会にちなみ、スタンプを押すという行為をつみかさねて絵画を描きます。自分の意識と無意識、身体のもつ「くせ」で、世界にひとつの作品をつくってみましょう。
講師:林葵衣(アーティスト)
日時:9月10日(日)13:30〜15:00
場所:2F ルーム10
参加費:1,000円(税・材料費込み)*当日会場にて現金でお支払いください。
定員:12名(要予約・先着順)
対象:どなたでも(未就学児の場合は保護者の付き添いをお願いします。)
申込期間:8月11日(金・祝)〜9月8日(金)
終了しました。たくさんのご参加ありがとうございました。
お申し込みはこちらから
https://docs.google.com/forms/d/1klW51ON5uBeh17-BlVzoeDjfby73rCP_zuyJrEVHF3Q/edit
林葵衣プロフィール
音声をはじめとする身体のふるまいに独自の形を与えて提示するアーティスト。関西を中心に個展、グループ展で作品を発表し、展示会場での公開制作やワークショップを行うなど幅広く活動を展開する。2018年「VOCA展」上野の森美術館、2020年度第4期常設展「画家の痕跡」高松市美術館に参加。 2015年第63回芦屋市展吉原賞、2022年第1回白髪一雄現代美術賞受賞。
◯エノコアートラウンジvol.1 「 反復と集積の美学」
毎月1回、金曜日の夜にenoco所蔵の美術コレクションを紹介しながら参加者と一緒に楽しむトークイベント。第1回は本展出展作家についておしゃべりを繰り広げます。
案内人:中塚宏行(enocoキュレーター)
日時:9月8日(金)19:00〜20:30
場所:B1Fフリースペース
参加費:1,000円(ソフトドリンク1杯つき)
全6回のおまとめ割・5000円
*当日会場にて現金でお支払いください。
定員:20名(要予約・先着順)
申込期間:8月11日(金・祝)〜9月7日(木)まで
vol.1 終了しました。たくさんのご参加ありがとうございました。
エノコアートラウンジvol.2以降のお知らせは、こちらからご確認ください。
https://www.enokojima-art.jp/event/11216/