2021.6.19 更新
本展については4月24日(土)でひとまず終了いたしましたが、
enocoの再開に伴い、6月22日(火)〜7月3日(土)の期間で再開します。
[再開期間]
2021年6月22日(火)〜7月3日(土)11:00〜19:00 ※月曜休
大阪府は、大阪府20世紀美術コレクションとして、20世紀後半に制作された作品を中心に、約7,900点におよぶ国内外の様々な美術作品を所蔵しています。大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco]では、このコレクションの魅力をより多くの人々に知っていただくこと、またこれらのコレクションの活用と展示の可能性を探ることの二つを目的として、2018年度から、気鋭の若手アーティストを招いて、新たなコレクション展の可能性を探る試みを行っています。
その第三弾として、大阪を拠点に活躍する画家の野原万里絵を招聘し「彼我の絵鑑(ひがのえかがみ)」を開催します。野原は、絵画の制作過程に関心を持ち、自分で道具を作り、数メートルにも及ぶ大きなスケールの絵画を描き、日本各地で発表しています。また、様々な人々をまきこんだ協働制作にも積極的に取り組み、他者との関係性から生まれる、新たな絵画の可能性を探究しています。
展覧会タイトル「彼我の絵鑑(ひがのえかがみ)」の「彼我」とは、他者と私、「絵鑑」は画家たちの手法の特徴を記した鑑定用の古画帖を意味します。
今回野原は、大阪府のコレクションの中から、伊藤継郎の「スケッチ・ブック」を起点に展覧会の構成を考え、伊藤が残したドローイングノートや、様々な作家による作品を選び、作家たちの手法や考えを汲み取りながら制作した自身の新作と組み合わせて展示します。また野原は、コレクションをより身近に感じるために、enocoで約2ヶ月間に渡りレジデンス(滞在制作)を行い、近くで目を凝らせば見えてくる絵の具の微妙な重なり具合、作品の裏側や周囲から感じられる独特の空気感などから、会ったことのない作家たちが行った制作過程やその人柄に想いを馳せながら作品を作ります。
本展は、野原の作品と大阪府のコレクションをあわせて展示し、そこから絵と共に生きる人々の思考が垣間見えるような空間を構成します。
招聘するアーティストの視点によってコレクションを新たな角度から考察する本展を通して、大阪府のコレクションの魅力を感じていただけると幸いです。
フライヤーデザイン:芝野健太 http://www.kentashibano.com/
担当学芸員:河崎由香子(enoco企画部門)
◯ 展覧会概要
会期:2021年3月30日(火)から5月1日(土)11:00-19:00 月曜休館
臨時休館に伴い、4月24日(土)でひとまず終了しました。
→下記の会期で再開します。
2021年6月22日(火)〜7月3日(土)11:00〜19:00 ※月曜休
会場:大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco] 1F ROOM4
入場料:無料
主催:大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco]
◯ 関連イベント情報|アーティストトーク
展覧会開催中にゲストを迎え、野原万里絵と「彼我の絵鑑」について語り、その模様をWebサイトにて公開します。
ゲスト:大槻晃実(芦屋市立美術博物館 学芸員)
詳細情報は、後日こちらのウェブページやenocoのSNSでお知らせします。 2021.04.20 公開しました。
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大阪府20世紀美術コレクション展 彼我の絵鑑
「アーティスト・トーク」
招聘アーティスト:野原 万里絵
ゲスト・聞き手:大槻晃実(芦屋市立美術博物館 学芸員)
展覧会企画:河崎由香子(大阪府立江之子島文化芸術創造センター 学芸員)
(*本トークは2021年4月12日に収録したものです)
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◯ 野原万里絵 / NOHARA Marie |プロフィール
1987年 大阪府生まれ
2012年 Royal College of Art (London) 交換留学
2013年 京都市立芸術大学大学院 美術研究科絵画専攻(油画) 修了
絵画を描く際の感覚的かつ曖昧な制作過程に関心を持ち、自ら制作した定規や型紙などの道具を用いた絵画作品を制作・発表している。また、自身が道具で絵を描く行為に加えて、ワークショップを日本各地で開催し、協働制作による作品も発表。他者とのコミュニケーションを通して、絵画の新たな可能性を模索している。
◯ 野原万里絵インタビュー
enocoニュースレター23号に掲載したインタビューの全文を、こちらからお読みいただけます。
http://www.enokojima-art.jp/MNohara