プロジェクト
大学連携プロジェクト H27

概要

大学及び大学院の都市・建築系学部学科による設計演習は、計画・設計及び視覚表現の質が格段に向上しているなか、その知の集積を社会に還元しきれていない状況があります。
一方で人口減少社会の到来により、運営財源も減少しつつあるなか行政は、行政区分や部局を越えた総合的、効率的かつ効果的な地域運営が求められています。
また地域や地元企業は、少子高齢化や中心市街地の空洞化などに代表される様々な課題に直面していいます。本事業では、このような状況の下、大学の設計演習を都市に開きつつ、地域や地元企業の声、行政の施策をそこに取り入れ、互いに機能させる場(=プラットフォーム)を共有することで、地元に貢献する知の集積体となる大学、地域のニーズを決め細やかに捉えた新しい公共を担う行政、地域や地元企業の課題解決が可能になると考え、今回の取り組みに至っています。
本年度は、通年実施している大学間連携による一連の活動を近畿地方整備局主催のミズベリング世界会議と協働して実施することとし、本プラットフォーム形成支援事業の対象事業としては、世界会議で発表された提案のうち、優秀なものについて、その実現可能性について可能性を検討し、ステークホルダーに提案する部分についてとします。加えて、本大学連携事業での案件化を求める庁内部局からの課題について、その可能性を検討する事項についても、本年度の成果とします。

A.経済や環境問題、人口動向などで大きく変化しやすい都市や社会の状況を考慮したより実践的な提案を効果的に地域へ落とし込む方法の検討。
B.昨年に引き続き、行政課題に対する有効な提案とするために、行政部局の事業動向や優先項目、予算要求のタイミングなどを踏まえた連携方法の検討。
C.学生提案が企業や地元協議会等に還元及び発信することを可能とするプラットフォームの構築。

大正区 渡船プロジェクト

2015 年10 月に開催されたミズベリング世界会議inOSAKA で優秀作品に選ばれた、大阪工業大学前田研究室の学生による提案「渡船がつなぐまち」をもとに、学生と地域及び行政が連携を図りつつ、課題解決に向けた活動の可能性を探ることを目的とし実施しました。

阪南スカイタウンプロジェクト

大阪府住宅まちづくり部が開発した阪南スカイタウンの状況を踏まえ、大学間連携による学生提案をもとに、街の成熟促進に向けた多様な方策の検討やその可能性を探りました。

成果

A. 経済や環境問題、人口動向などで大きく変化しやすい都市や社会の状況を考慮したより実践的な提案を効果的に地域へ落とし込む方法の検討を行いました。

<成果>
阪南スカイタウンの成熟促進に向け、大学と行政の連携可能性を検討できたことは有意義だった。次年度は実際に地域の方々の意識やニーズ等の調査を実施し、空き地の活用方法など、具体的な成熟促進に向けてのアイデアを検討する予定です。

B. 昨年に引き続き、行政課題に対する有効な提案とするために、行政部局の事業動向や優先項目、予算要求のタイミングなどを踏まえた連携方法の検討を行いました。

<成果> 10 月上旬にミズベリング世界会議での大学連携・学生発表を行い、多様な立場の個人や団体が学生提案の可能性に触れたことによって、大正区渡船PJや阪南スカイタウンプロジェクトへとつながっていった点で有意義でした。行政の予算編成等のスケジュールをふまえ、今後も年度の早い段階からプラットフォーム拡充の機会を積み重ねる必要があります。

C. 学生の提案を企業や地元協議会等に還元及び発信することを可能とするプラットフォームの構築。

<成果>
■大正区渡船PJ:大正区長へのプレゼン
大正区渡船PJは対象地が港区と此花区を結ぶ渡船場を対象にしているが、行政や地域協議の簡素化を踏まえ、同じく渡船場が多数存在している大正区を対象にしつつ、ミズベリング世界会議で培われた大正区及び区長との関係性を活かしたいと考え、3月上旬に大正区長へプレゼンを行いました。今後は、更なる課題の抽出を行いつつ、提案内容を再考し、社会実験実施に向けて動いていくこととなりました。

■大正区渡船PJ:クラウドファンドへのチャレンジ
社会実験の実施に向けて、大阪府(環境農林水産部)と連携協定している「FAAVO 大阪」へ資金募集プロジェクトとして正式エントリーを行うべく、効果的な資金集めのコツなどアドバイスを受けました。

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